孤独死の第一発見者になったら始めにやること

孤独死の第一発見者になったら始めにやること

孤独死の第一発見者になるとパニック状態になります。自分以外に誰かがいれば心強いですが、一人だと頭が真っ白になります。私も何度か孤独死に遭遇しましたが、救急車を呼ぼうとしたのに誤って100番に電話したことがあります。冷静に対処したつもりでもパニックだったということですね。

東京都庁で5年勤務したのち、FPとして独立。生前対策領域に7年間従事。
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コラムでは実際にお客様から寄せられるご質問やお悩みを中心にわかりやすく解説します。

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目次

孤独死とは?

内閣府の高齢社会白書では以下のように定義されています。

誰にも看取られることなく亡くなった後に発見される死

引用:内閣府 高齢社会白書

孤独死は若者にも当てはまることがあるものの、連想されるのは65歳以上の高齢者であるケースが多く、「一人暮らしの親が亡くなったらどうしよう...」などと悩みを抱えて、この記事に訪れた方も多いのではないでしょうか?

2065年には平均寿命が男性84歳、女性91歳までになると言われています。

孤独死の現状レポート

2022年11月に公表された日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会による「第7回孤独死現状レポート」をベースに孤独死の現状について見ていきましょう。

その他、内閣府や厚生労働省が発表しているデータも用いており、表の下部に参考文献を記載しています。

男女別孤独死人数と死亡時の平均年齢

男女別の孤独死人数と平均年齢の表になっています。

孤独死者の平均年齢は約62歳。男女ともに平均寿命より若い段階で死を迎えていることが分かります。

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項目男性女性合計
人数5,6001,1276,727
割合(%)83.2%16.8%100%
死亡時の平均年齢(歳)62.161.261.9
65歳未満者の割合49.2%49.8%49.4%
平均寿命81.6487.7484.36
参考文献:日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート」

男女別死亡年齢の構成比

男女別の死亡年齢の構成表になっています。孤独死全体の約6割が60歳以降を占めている。

高齢者が8割超えになるかとイメージしていましたが、若い世代も約4割占めており、孤独死は高齢者だけの問題でなく、全世代にわたる大きな問題であることが分かる。

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20〜29歳30〜39歳40〜49歳50〜59歳60〜69歳70〜79歳80歳〜合計
男性2433775629851,7061,1584915,522
割合4.4%6.8%10.2%17.8%30.9%21.0%8.9%100%
女性88991261672212451611,107
割合7.9%8.9%11,4%15.1%20.0%22.1%14.5%100%
合計5.0%7.2%10.4%17.4%29.1%21.2%9.7%100%
参考文献:日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート」

一人暮らし高齢者の死亡者数

高齢者人口の増加に伴い、孤独死は増加しています。東京都福祉保健局監察医務院の統計によると「東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数」は年々増加しており、2018年で3,882名となっています。

自宅での死亡者数は年増加しており、令和元年には3,936人に達した。
参考文献:内閣府令和3年版高齢社会白書(全体版)

孤独死者の死因別人数

孤独死者の死因別に表したのが下記の表です。1番多いのが病死によるもので約7割を占めています。

次に多いのが約1割を占める自殺となっています。男女別で見ると、女性の方が自殺率が高くなっており、この傾向は昔から変わらない。

死因病死自殺事故死不明合計
人数4,496702821,4476,727
割合66.8%9.8%1.2%22.1%100%
参考文献:日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート」

孤独死者の年齢別自殺者の割合

孤独死者の年齢別自殺者の割合が下記の表になります。

20代の女性が約4割と非常に多いのが分かります。20〜40代が高い水準となっており、50代以降から徐々に減少傾向にあります。

スクロールできます
~20代30代40代50代60代70代80代〜
孤独死全体26.3%24.7%20.4%15.0%9.0%3.4%1.2%
男性22.8%25.4%21.4%16.1%9.3%4.0%1.0%
女性38.3%22.1%16.8%11.4%8.1%1.3%2.0%
参考文献:日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート」

孤独死発生に伴う被害額と支払い保険金額

次に孤独死が発生した際に生じる居室への損害とそれに対し支払っている保険金のデータを見ていきましょう。

孤独死が発生すると残置物の処理、汚損等の原状回復によって長い時間を必要とし、さらに次の入居者が中々決まらないといった損害が生じます。

孤独死が増加傾向にあるのは家主さんも懸念しており、これが「高齢者への賃貸物件の貸し渋り」に大きく繋がっています。

残置物処理費用

平均損害額平均支払保険金
¥235,839¥235,487
最大損害額最小損害額最大支払保険金最小支払保険金
¥1,781,595¥1,080¥990,000¥1,080

現状回復費用

平均損害額平均支払保険金
¥381,111¥334,411
最大損害額最小損害額最大支払保険金最小支払保険金
¥4,546,840¥5,200¥3,000,000¥5,200

家賃保証

平均損害額
¥307,876

一人暮らしの死亡発見:孤独死の現実

孤独死の第一発見者となる人の構成や発見されるまでの日数を具体的に見ていきましょう。

孤独死の第一発見者の構成

下の統計資料によると、孤独死の第一発見者になる人物は、親族や友人などの親しい人がなるケースが40%を占めています。親しい人なら尚更パニックになることでしょう。そのため、一人暮らしの方は自分の万が一に出くわす可能性のある親しい人に、自宅で倒れていた場合の対処方法を話しておくとその方の負担を多少軽減できるかもしれません。

第一発見者の構成は親族が25%と友人が14%を占めている。
参考文献:2022年11月 日本少額短期保険協会 第7回孤独死現状レポート
※四捨五入し数字を算出しているため合計100%ではありません。賃貸住宅居室内における統計資料です。

孤独死が疑われる兆候として以下のケースがあります。

  • 近所の方とあいさつをすることがなくなった。
  • 電話をしても連絡がつかない。
  • 家に行ってベルを鳴らしたがいる気配がない。
  • ポストに郵便物が溜まっている。
  • 家賃滞納が続き大家さんが気づく。

荷物の置き配で孤独死を発見した実例

仕事の中で死の瞬間に立ち会うこともありましたので、実際に体験した実例をご紹介します。

東京都に住むA様(76歳)は、子どもがいないお客様で、親族は東北地方に住む兄の家族だけでした。A様と私は7年ほどのお付合いで、私の誕生日には毎年欠かさず「誕生日おめでとう!」とメールを送って下さる優しい方でした。そんなA様は2021年に借りていたアパートの居室内で孤独死されました。発見されるまでの経緯は下記のような状況でした。

日付状況
12月18日A様より毎年恒例の誕生日おめでとうメールが届き、メールでやりとりをする。
12月23日当時一緒に働いていた同僚がA様を訪問し1時間程面談。変わった様子はなく普段通り元気な様子。
12月26日宅配の荷物が置き配で届く。
12月28日通っていた整骨院を無断キャンセル。整骨院のスタッフがA様に電話するも繋がらない。
12月29日今まで無断でキャンセルしたことがないA様が気になり、整骨院のスタッフがA様の自宅を訪問。
26日に届いた置き配の荷物を受け取っていない事を発見、不審に思い、アパートの大家さん・任意後見受任者であった当時勤務していた会社に連絡。
その後、警察に通報し自宅で倒れ死亡しているA様の姿が発見される。
孤独死が発見されるまでの経緯

死亡は12月26日夜から12月27日にかけてとのことでした。1週間前までやり取りしていたA様の突然死は非常に驚くとともにショックな出来事でした。

孤独死の発見までの日数

発見に至るまでの日数は、3日以内が約4割を占めています。

孤独死の発見までの日数は3日以内が41%とほぼ半数を占めている。
参考文献:2022年11月 日本少額短期保険協会 第7回孤独死現状レポート
※四捨五入し数字を算出しているため合計100%ではありません。賃貸住宅居室内における統計資料です。

3日以内であれば、遺体が腐敗するまでに至らないため、発見時の衝撃を和らげることができるでしょう。親族や友人などの親しい人のためにも、異変を早く察知してもらうことが大切です。

孤独死を発見した時の流れ

ここで簡単な問題です!もし、皆さんが親族や友人の孤独死を発見したら・・・はじめに何をしますか?

①119番に連絡し救急車を呼ぶ。

②100番に連絡し警察を呼ぶ。

③お部屋の中を探しまわり親族や近親者の連絡先を探し連絡する。

これと言ったマニュアルはありませんが、生死の判断がつかない場合には『①119番に連絡し救急車を呼ぶ』と覚えておくといいでしょう。ただし明らかに遺体が腐敗している場合は、警察への連絡が先になります。

少し余談ですが、119番電話した際に発見場所の住所を聞かれるため、建物の住所を予め確認しておくとスムーズです。(自分の自宅住所以外は把握していないことが多く、場所を聞かれると結構戸惑います。)

その後、救急隊が到着すると蘇生の処置を行った上で死亡の確認をしてくれます。

警察からの事情聴取の流れ

次に、救急隊の対応が終わると事件性がないか確認するために警察が呼ばれます。また、第一発見者になると警察から事情聴取を受け、発見時の状況や関係性などを確認されます。(長時間になることも)

発見時に遺体や荷物に触ったか?と一度事情聴取で聞かれたことがありました。警察によると、自宅等で孤独死を発見した場合には、事件の可能性もあるため遺体や部屋の荷物は片付けず、現場の状態のままで絶対に触らないで欲しいとのことでした。

DNA鑑定による身元確認

一般的には3日で発見されますが、死後1ヶ月以上も発見されなかった場合は、遺体を見ても身元が分からないことがあります。その場合は発見された場所に住んでいる人であるか確かめるために身元確認が行われることを覚えておきましょう。

一般的には身元が分かるまで約1〜3ヶ月ほどかかると言われています。

孤独死を発見した方のトラウマ

なにかの理由で孤独死を発見した場合や家族が腐敗が進んで悲惨な姿で発見された場合にトラウマとして残る場合があります。

フラッシュバックと心のケア

一度トラウマになってしまうと発見時の姿や死臭の感覚などがフラッシュバックして眠れなくなってしまう場合も。

そうなった場合には無理をせず、精神科医療やカウンセリングなどお近くにあるサービスで心のケアを利用されると良いでしょう。

孤独死を発見したらまずは119番を

今回は実際のデータから孤独死について整理を行い、第一発見者になった際に最初にやることと流れについて解説しました。

解説したような兆候が見られた場合は、大家さんや隣人と一緒に行動されると良いでしょう。

孤独死を発見したらまずは119番で救急車を呼ぶ。当たり前のことですが、パニックになると意外と混乱するものです。

孤独死の負担を減らすために、まずは身の回りの整理から始めてみませんか?

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