相続コンサルタントとは?相続対策を何から始めるべきか支援します

相続は人生において一度は向き合うべき重要な問題ですが、その手続きは複雑で多岐にわたります。

相続対策を何から始めるべきか支援するのが、相続コンサルタントです。

彼らは、何から始めるべきか分からない方々に対し、現状分析から対策案の立案、さらには具体的な実行支援まで、多方面からサポートを行います。相続コンサルタントとしての資質には、幅広い知識と柔軟な対応力が求められますが、この道を歩むための資格も多様に存在します。

この記事では、相続コンサルタントの具体的な仕事内容や必要な資質、そして取得可能な資格について詳しく探ります。

相続に関わる対策の多様性も含めて、これから相続対策を始める方既に始めているが悩んでいる方に向けて相続コンサルタントがその助けになることを解説していきます。

佐賀大学卒業
公共土木設計に10年、測量・登記・開発に16年、不動産実務に13年、相続・後見に11年。
保有資格は土地家屋調査士、測量士、2級建築士、宅地建物取引士、相続対策専門士など他多数。
実務実績は相続相談件数が2,000件、任意後見契約数が300件、不動産売買仲介数が350件など他多数の豊富な実績。
コラムは実務での実体験を交えてわかりやすく解説しています。

トータル50年の実務実績を活かし、現在は不動産で悩む人がいなくなるよう、正しい不動産の知識を広める活動をしています。

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    目次

    相続コンサルタントは何から始めるべきか支援する専門家

    相続コンサルタントは何から始めるべきか支援する専門家です。その役割は以下の通りです。

    相続手続きおよび相続対策において

    お客様の要望を把握し、(目的)

    現状を分析したうえで、(目的と現状のギャップ)

    対策案を立案し(ギャップを埋める方法)

    実行支援する(手段)

    目的が明確なお客様には、適切な手段を提供する士業(特定のスペシャリスト)や事業者に相談に行けば解決します。

    しかし、課題が明確でない(誰に何を相談したらいいかわからない)お客様に対して、いきなり手段や手続きの説明をしても当然にうまく行きません。

    相続コンサルタントの役割は、このような相続手続きおよび相続対策において課題が明確でないお客様の現状分析を行い、目的と課題を明確にし、対策案を立案し実行支援することです。

    また、相続コンサルタントは、その対策案に強い専門家と連携しています。お客様のために最適な専門家を紹介して問題解決を目指していきます。

    専門家ごとの出来ることと出来ないことについては、下記の記事をご覧ください。

    相続コンサルタントの仕事

    相続手続きおよび相続対策においての相続コンサルタントの役割を整理してきました。

    では、実際にどういった手順で相続コンサルタントが仕事を進めているのかを解説していきます。

    • 現状分析
    • 対策案の立案
    • 対策の実行支援

    ①現状分析

    相続コンサルタントの重要な初期ステップは、現状分析です。ここでは、まずお客様の要望を丁寧にヒアリングすることから始めます。

    お客様が抱える不安や希望をしっかりと把握し、それに基づいて財産調査を行います。財産調査では、現金や不動産などの資産を詳細に調べ、相続税シミュレーションを通じて将来的な税負担を予測します。

    また、相続人調査では、法定相続人を確認し、相続における課題の整理を行います。

    これによって、相続を巡る複雑な状況を明確化し、対策案の立案をスムーズに進める土台を作ります。

    ②対策案の立案

    現状分析を基に、相続コンサルタントは最適な対策案を立案します。

    ここでは、納税資金対策や遺産分割対策の他に、財産評価に関する対策にも重点を置きます。評価・時価・収益性を考慮し、資産を効果的に活用する方法を提案します。

    また、認知症対策は特に高齢者の家庭において重要であり、資産防衛や資産形成に関するアドバイスも行います。認知症対策には、家族信託のほかに任意後見もありますが、後見開始後の財産対策はほぼできなくなりますので、対策する財産をきちんと把握したうえで家族信託で受託者を選定しておくことをお勧めします。

    任意後見は、財産管理以外の身上監護を目的として契約しておくと良いでしょう。

    これにより、家族全体にとって負担を最小限に抑えつつ、将来の不確実性にも対応可能な対策を用意します。

    ③対策の実行支援

    練り上げた対策を実行に移す段階では、相続コンサルタントはお客様のサポートを続けます。

    各種業者や士業を含む実行チームを組成し、プロジェクトの行程管理と進捗の成果管理を徹底します。これにより、計画が滞ることなくスムーズに進みます。

    また、定期的な報告を通じて、お客様がプロセスを理解し、安心できるようにします。

    最終的には、お客様の目標を達成するために必要なすべてのステップを確実に実行することを目指します。

    相続コンサルタントとしての資質

    相続コンサルタントの仕事の流れでもある通り、相続コンサルタントは単に相続に関する知識だけでなく、幅広い能力が求められます。

    • 客観性
    • 全体最適
    • 問題解決
    • コンプライアンス
    • 業際の把握
    • 相続人調査
    • 財産調査
    • 保険
    • 有価証券
    • 不動産(評価・時価・収益性)
    • 士業連携
    • 分析ツール
    • わかりやすい説明

    相続に関する知識はとても幅広く、法務や税務だけでなく、不動産の評価・時価・収益性、保険や有価証券の知識も必要です。

    相続財産の過半を占めると言われる不動産については、時価と評価額に乖離があるなどより専門性の高い知識とスキルが求められます。単体の知識だけでは断片的な対策しかできません。

    これらすべてを理解して初めて全体最適の対策ができます。

    相続コンサルタントの資格 6選

    相続コンサルタントを名乗るのにあたって、国家資格や明確な基準はありません。民間資格は様々なものがありますので、一部をご紹介します。

    一般社団法人 相続診断協会

    一般社団法人 相続診断協会
    相続診断士相続の基本的な知識を身につけて相続診断ができる資格
    上級相続診断士相続の知識と実務を身につけて相続診断のできる資格

    遺産相続は、いつかは経験する事なのに非常に難しく感じ、誰に相談して良いか分からない、という独特の問題を抱えています。

    相続診断士は、相続に関する広く多岐にわたる問題を理解し、一般の方への啓蒙活動を行います。

    その中で、相続についてヒアリングし「相続診断」を行います。 トラブルが発生しそうな場合には、コンプライアンスに配慮しながら必要な専門家(弁護士や税理士などの有資格者)に伝え、相続人が安心して相続を迎えられるように橋渡しをします。

    『笑顔相続の道先案内人』としての社会的役割を担います。 「相続」が「争族」にならない様に、笑顔で相続を迎えるお手伝いをするのが「相続診断士」であり、これからの大相続時代に求められる資格です。

    NPO法人 相続アドバイザー協議会

    NPO法人 相続アドバイザー協議会
    相続アドバイザー円満な相続を実現するため、実務的な視点からお客様と各士業の間に入り、的確なアドバイスをする専門家
    上級相続アドバイザー認定会員が本会主催の上級アドバイザー試験に合格した者の称号

    相続アドバイザーは、円満な相続を実現するため、実務的な視点からお客様と各士業の間に入り、的確なアドバイスをする専門家です。

    相続は相続人間の遺産分割方法、相続税の納税方法、等々相続の問題が多岐に亘っています。その原因は、法務、税務、土地評価といった専門分野の知識も必要となっているためであり、幅広い知識からアドバイスをしてくれるのが相続アドバイザーです。

    NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

    日本FP協会
    AFPFP(ファイナンシャル・プランナー)は、家計に関わる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を備え、一人ひとりの将来の夢がかなうように一緒に考え、サポートする専門家です。 FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した者に与えられる資格
    CFP高度な知識と経験をもって長期的かつ総合的な視点で適切なアドバイスをし、他のFPの規範となる確固たる職業倫理を身につけているプロフェッショナル

    FP(ファイナンシャル・プランナー)は、家計に関わる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を備え、一人ひとりの将来の夢がかなうように一緒に考え、サポートする専門家です。

    公益財団法人 不動産流通推進センター

    公益財団法人 不動産流通推進センター
    相続対策専門士一般に相続資産には、自宅や投資用の不動産が含まれるケースが多く、不動産や相続にまつわる法令は多岐に渡り、事前整理が重要とされています。
    そしてその不動産の価値を知るプロフェッショナルこそ『公認 不動産コンサルティングマスター相続対策専門士』です。

    ☆依頼者の意向を第一に考え、円滑な資産承継のご提案をいたします。
    ☆依頼者の資産内容を丁寧に聞き取り、分析し、二次相続までも考慮し、承継するご家族にも幸せを実感していただけるご提案をいたします。
    ☆各種専門家(税理士・弁護士・不動産鑑定士 等)との連携を持ち、依頼者がワンストップで相談できる窓口となります。

    一般財団法人 日本不動産コミュニティー

    一般財団法人 日本不動産コミュニティー
    J-REC公認 相続コンサルタント大切な土地や建物を、「お子様やお孫さんにどう譲り渡していけばいいのかわからない」と、多くの方が悩まれています。 一方、相続のコンサルタントやハウスメーカ―に勧められ、安易にアパートやマンションを建ててしまった結果、資産どころか自宅までも失い、 家族がばらばらになってしまったと言うケースも耳にします。

    J-RECは基本理念である、「すべての人に不動産の知識を。」に基づき、相続にお悩みの皆様へ、不動産、相続に関する正しい知識をご提供します。

    そして、現在、抱えている悩み・問題を解決するためのお手伝いをさせていただきます相続資産の約7割は不動産であると言われますが、 不動産をどのように活用するかによって、相続の結果は大きく変わります。
    J-REC公認の相続コンサルタントは全員が「不動産のプロ」です。

    公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会

    公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会
    相続支援コンサルタント公益財団法人日本賃貸住宅管理協会認定資格であり、不動産のプロとして物件オーナーから寄せられる相続の相談に、 士業と連携してアドバイスを行う相続支援のスペシャリストです。

    賃貸住宅所有者に対し、相続に係る知識と技能を持って、相続及びこれに関する不動産取引について相談に応じる。
    また、必要に応じて法務・税務等の各分野の専門家を紹介する。
    上級相続支援コンサルタント賃貸住宅所有者に対し、相続に係る知識と技能を持って、相続及びこれに関する不動産取引について相談に応じる。

    また、必要に応じて法務・税務等の各分野の専門家を紹介する。
    各種講習会・講演会・セミナーで講師を務める等、運営に携わる。

    相続対策の種類は30種類以上あります!

    相続対策の手始めとして、遺言を提案されることが多くあると思いますが、予備的遺言や遺言執行者の任命など、手続き的なアドバイスで終わっているものを散見します。

    このような場合、全体の資産状況を把握しない状況で作成された遺言は全体最適になっていない場合があるので注意が必要です。

    遺言は有効な相続対策となり得ますが、現状分析をしないで作成された遺言は不完全かもしれないので、注意が必要です。 相続対策は、「できることからやる」が鉄則です。最初から完璧を目指しても実行できるかどうかわかりません。

    しかし、専門家である相続コンサルタントとしては、考えられるすべての対策について検討する必要があります。

    相続対策の手法は、主に「遺産分割対策」「納税資金対策」「財産評価対策」「認知症対策」「資産防衛」「問題解消」のカテゴリに分類されます。

    そして対策案の具体例としては遺言をはじめとしに30種類以上に上ります。

    相続対策の課題が明確でない場合は、相続コンサルタントに相談を

    今回は相続コンサルタントの仕事と資質について解説してきました。

    相続対策をうまく進めるためには、課題が明確である必要があり、そのサポートを行うのが相続コンサルタントです。

    課題が明確でないまま、専門家のところに行っても、ミスマッチを起こしてしまう可能性があります。

    まずは自分や家族で目的と現状のギャップを考えたい」「どういった相続対策があるか知りたい。」といった方向けに、オリジナルチェックシートを無料で配布しています。

    この記事を参考に、皆さんが安心して未来に向けた一歩を踏み出せることを願っています。

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