相続対策の課題と対策について目的が明確な人は、適切な手段を提供する士業(弁護士・税理士など)や事業者(不動産屋・保険屋など)に相談に行けば解決します。 しかし、課題が明確でない(誰に何を相談したらいいかわからない)人は、そもそも何が問題なのかさえ分かりません。
このような状態で士業や事業者に相談にいくと、その相談先の守備範囲だけの提案を受けてしまう事になりがちです。
では、課題が明確でない(誰に何を相談したらいいかわからない)人は、誰に相談すれば良いのでしょう?
まずは、客観的且つ網羅的に課題を見つけてくれる人に相談すべきです。そして、課題を見つけるためには、網羅的に現状を把握する必要があります。 これに適した相談先は、専門性の高い士業などではなく「相続コンサルタント」です。
相続コンサルタントの役割は、相続対策において課題が明確でない人の現状分析を行い、目的と課題を明確にし、対策案を立案し実行支援することです。 相続コンサルタントに相談することによって、本当に必要な対策が判明し、実行できるようになります。
しかしながら、相続コンサルタントという国家資格はありませんので、相続コンサルタントを称する人のレベルは、かなりバラツキがあります。相続対策は、法務・税務・金融・不動産・後見と幅広い知識と経験を要します。 この記事では、相続対策の正しい進め方と相続対策を進めるためのパートナーの選定方法について解説していきます。
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相続対策の流れ
相続対策の検討において正しい流れは以下の通りです。しかしながら、最初に相談する相手を間違うことによって、部分的な問題をカバーするための遺言や節税などの手段を提案されてしまいます。
それもそのはず、専門家に相談に行くという事はそういうことで、その専門分野の提案をするほかにできることはないのです。
相談されて何も提案しない専門家の方が不親切だと思います。このようにして、相続対策は中途半端、部分最適状態になってしまうのです。
そうならない為にも、必ず現状分析を実施する必要があります。
財産調査、相続人調査、相続税シミュレーション、理想の明確化、課題の整理
納税資金対策、遺産分割対策、財産評価(評価・時価・収益性)対策、認知症対策、資産防衛、資産形成
実行チーム(各種業者・士業)の組成、行程管理、成果管理
相続コンサルタントとは、何から始めるべきか支援する専門家
相続対策における相続コンサルタントの役割とは次のとおりです。現状分析と理想の把握が一番大事な役割と言えます。
お客様の要望を把握し → 目的・理想
現状を分析したうえで → 理想と現状のギャップ
対策案を立案し → ギャップを埋める手段
実行支援する → チームの組成
目的が明確なお客様には、適切な手段を提供する士業(特定のスペシャリスト)や事業者に相談に行けば解決します。
しかし、課題が明確でない(誰に何を相談したらいいかわからない)お客様に対して、いきなり手段や手続きの説明をしても当然にうまく行きません。
相続コンサルタントの役割は、このような相続手続きおよび相続対策において課題が明確でないお客様の現状分析を行い、目的と課題を明確にし、対策案を立案し実行支援することです。
また、相続コンサルタントは、その対策案に強い専門家と連携しています。お客様のために最適な専門家を紹介して問題解決を目指していきます。
専門家ごとの出来ることと出来ないことについては、下記の記事をご覧ください。
相続コンサルタントとしての資質
相続コンサルタントの仕事の流れでもある通り、相続コンサルタントは単に相続に関する知識だけでなく、幅広い能力が求められます。
専門知識 | 相続人調査・財産調査・保険・有価証券・不動産(評価・時価・収益性)・後見 |
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分析力 | 傾聴・客観性・全体最適・数値化 |
実行力 | 問題解決・チーム組成・業際問題 |
わかりやすさ | 分析ツール・資料・説明 |
相続に関する知識はとても幅広く、法務や税務だけでなく、不動産の評価・時価・収益性、保険や有価証券の知識も必要です。
相続財産の過半を占めると言われる不動産については、時価と評価額に乖離があるなどより専門性の高い知識とスキルが求められます。単体の知識だけでは断片的な対策しかできません。
これらすべてを理解して初めて全体最適の対策ができます。
対策を実行するうえで、士業などとの専門家との連携は必要ですが丸投げは厳禁です。専門家の提案であっても客観的に全体最適の視点で検証できないと意味がありません。
よって、相続コンサルタントは広く深い知識と経験が必要な仕事と言えます。「いい人」であるに越したことはないですが、「いい人」=良い相続コンサルタントではありません。
相続コンサルタントの資格 6選
相続コンサルタントを名乗るのにあたって、国家資格や明確な基準はありません。民間資格は様々なものがありますので、一部をご紹介します。
一般社団法人 相続診断協会
相続診断士 | 相続の基本的な知識を身につけて相続診断ができる資格 |
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上級相続診断士 | 相続の知識と実務を身につけて相続診断のできる資格 |
遺産相続は、いつかは経験する事なのに非常に難しく感じ、誰に相談して良いか分からない、という独特の問題を抱えています。
相続診断士は、相続に関する広く多岐にわたる問題を理解し、一般の方への啓蒙活動を行います。
その中で、相続についてヒアリングし「相続診断」を行います。 トラブルが発生しそうな場合には、コンプライアンスに配慮しながら必要な専門家(弁護士や税理士などの有資格者)に伝え、相続人が安心して相続を迎えられるように橋渡しをします。
『笑顔相続の道先案内人』としての社会的役割を担います。 「相続」が「争族」にならない様に、笑顔で相続を迎えるお手伝いをするのが「相続診断士」であり、これからの大相続時代に求められる資格です。
NPO法人 相続アドバイザー協議会
相続アドバイザー | 円満な相続を実現するため、実務的な視点からお客様と各士業の間に入り、的確なアドバイスをする専門家 |
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上級相続アドバイザー | 認定会員が本会主催の上級アドバイザー試験に合格した者の称号 |
相続アドバイザーは、円満な相続を実現するため、実務的な視点からお客様と各士業の間に入り、的確なアドバイスをする専門家です。
相続は相続人間の遺産分割方法、相続税の納税方法、等々相続の問題が多岐に亘っています。その原因は、法務、税務、土地評価といった専門分野の知識も必要となっているためであり、幅広い知識からアドバイスをしてくれるのが相続アドバイザーです。
NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
AFP | FP(ファイナンシャル・プランナー)は、家計に関わる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を備え、一人ひとりの将来の夢がかなうように一緒に考え、サポートする専門家です。 FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した者に与えられる資格 |
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CFP | 高度な知識と経験をもって長期的かつ総合的な視点で適切なアドバイスをし、他のFPの規範となる確固たる職業倫理を身につけているプロフェッショナル |
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、家計に関わる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を備え、一人ひとりの将来の夢がかなうように一緒に考え、サポートする専門家です。
公益財団法人 不動産流通推進センター
相続対策専門士 | 一般に相続資産には、自宅や投資用の不動産が含まれるケースが多く、不動産や相続にまつわる法令は多岐に渡り、事前整理が重要とされています。 そしてその不動産の価値を知るプロフェッショナルこそ『公認 不動産コンサルティングマスター相続対策専門士』です。 ☆依頼者の意向を第一に考え、円滑な資産承継のご提案をいたします。 ☆依頼者の資産内容を丁寧に聞き取り、分析し、二次相続までも考慮し、承継するご家族にも幸せを実感していただけるご提案をいたします。 ☆各種専門家(税理士・弁護士・不動産鑑定士 等)との連携を持ち、依頼者がワンストップで相談できる窓口となります。 |
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一般財団法人 日本不動産コミュニティー
J-REC公認 相続コンサルタント | 大切な土地や建物を、「お子様やお孫さんにどう譲り渡していけばいいのかわからない」と、多くの方が悩まれています。 一方、相続のコンサルタントやハウスメーカ―に勧められ、安易にアパートやマンションを建ててしまった結果、資産どころか自宅までも失い、 家族がばらばらになってしまったと言うケースも耳にします。 J-RECは基本理念である、「すべての人に不動産の知識を。」に基づき、相続にお悩みの皆様へ、不動産、相続に関する正しい知識をご提供します。 そして、現在、抱えている悩み・問題を解決するためのお手伝いをさせていただきます相続資産の約7割は不動産であると言われますが、 不動産をどのように活用するかによって、相続の結果は大きく変わります。 J-REC公認の相続コンサルタントは全員が「不動産のプロ」です。 |
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公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会
相続支援コンサルタント | 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会認定資格であり、不動産のプロとして物件オーナーから寄せられる相続の相談に、 士業と連携してアドバイスを行う相続支援のスペシャリストです。 賃貸住宅所有者に対し、相続に係る知識と技能を持って、相続及びこれに関する不動産取引について相談に応じる。 また、必要に応じて法務・税務等の各分野の専門家を紹介する。 |
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上級相続支援コンサルタント | 賃貸住宅所有者に対し、相続に係る知識と技能を持って、相続及びこれに関する不動産取引について相談に応じる。 また、必要に応じて法務・税務等の各分野の専門家を紹介する。 各種講習会・講演会・セミナーで講師を務める等、運営に携わる。 |
相続対策の手段は30種類以上あります!
相続対策の手法は、大きく5つのカテゴリに分類されます。
- 分割対策
- 納税資金対策
- 財産評価(節税)対策
- 認知症対策
- 純資産(資産防衛)対策
相続対策の手始めとして、遺言を提案されることが多くあると思いますが、予備的遺言や遺言執行者の任命など、手続き的なアドバイスで終わっているものを散見します。
遺言は有効な相続対策となり得ますが、現状分析をしないで作成された遺言は不完全かもしれません。このような場合、全体の資産状況を把握しない状況で作成された遺言は全体最適になっていない場合があるので注意が必要です。
相続対策は、「できることからやる」が鉄則です。
最初から完璧を目指しても実行できるかどうかわかりません。しかし、専門家である相続コンサルタントとしては、考えられるすべての対策について検討する必要があります。
そして対策案の具体例としては遺言をはじめとしに30種類以上に上ります。 相続コンサルタントは、この対策案の全てを提案できる知識と実行し監督できる能力が必要とされます。
相続対策の課題が明確でない場合は、相続コンサルタントに相談を
今回は相続コンサルタントの仕事と資質について解説してきました。
相続対策をうまく進めるためには、課題が明確である必要があり、そのサポートを行うのが相続コンサルタントです。
課題が明確でないまま、専門家のところに行っても、ミスマッチを起こしてしまう可能性があります。
「まずは自分や家族で目的と現状のギャップを考えたい」「どういった相続対策があるか知りたい。」といった方向けに、オリジナルチェックシートを無料で配布しています。
この記事を参考に、皆さんが安心して未来に向けた一歩を踏み出せることを願っています。
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