不動産投資を始める上で、ライフプランを考えることは非常に重要です。
不動産を活用し、収入を確保する方法は多岐に渡りますが、なかでも家賃収入による資産運用は、多くの方にとって魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
将来の目指す生活や目標からキャッシュフローを定めることで「どういった不動産投資をすべきか」が明確になります。
本記事では、不動産投資を始める際の第一歩、即ち、ライフプランに基づいて目標キャッシュフローを明確に設定する方法から、投資を加速させる方法までを、50~60代の方々にも分かりやすく解説しています。
それでは、不動産投資という資産形成の進め方を学んで、スムーズにライフプランニングを行いましょう。
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ライフプランを計画することで迷いがなくなる
人生において、ライフプランを計画することは、これからの道を明るく照らす灯台のような存在です。
「老後に不安を抱えず、安定した生活を送りたい。」そう考えるのであれば、計画は必要不可欠でしょう。
中でも、不動産投資をライフプランに組み込むことは、迷いを解消し、目の前の道を確実に進むための一つの方法です。
進むべき道の一つを見つけることが、迷いをなくす第一歩になります。
不動産投資を始める前にライフプランを取り込むことで、この先のやるべきことが明確になります。
- ライフプランを計画する。
- キャッシュフローが決まる。
- 達成するための投資手法が見えてくる。
- なにが足らないか?どういった情報を集めるべきか明確になる。
不動産投資は、多くの人が人生の一大イベントと捉え、慎重に検討するものです。
しかし、不動産投資を成功させるためには、自身のライフプランとの整合性を見極める必要があります。
購入する物件の種類、位置、価格によって収益性が大きく異なるためです。
例えば、賃貸マンションやアパート経営は、毎月の家賃収入を得られる一方で、空室リスクや修繕費用などを考慮する必要があります。
また、購入時や売却時の税金、管理費用、ローン返済など、収支計算は複雑になりがちです。
不動産投資を始めるにあたっては、無料のシミュレーションツールや専門家の無料相談を利用することで、自身のライフプランに合った不動産投資の方法を模索することができます。
不動産投資は、投資の中の一部ですので、給与所得や副業、その他の投資(金融資産や現物資産)を踏まえた上で計画しましょう。
経験豊富な専門家に相談することで、不安や疑問を解消し、計画的に不動産投資を行うことが可能です。
ライフプランニングシートでは、中長期のライフプランを定めるにあたっての面倒なシート作成をテンプレート化し、無料で配布していますので、是非ご活用ください。
不動産投資は、資産形成や相続対策のみならず、人生の豊かさを実現する手段の一つです。
いずれ自身や家族が直面するであろう老後の生活資金不足や相続問題に対しても、有効な解決策を提供します。
適切な知識と計画に基づいた不動産投資は、ライフプランの中で重要な役割を果たし、充実した未来を築く一助となるでしょう。
まずは目標のキャッシュフローを決める
不動産投資を通して、「◯◯年後までに月いくらの収入が欲しいか」の目標キャッシュフローを決めることは大切です。
目標を定めずに始めてしまうと、「自分に合っていない投資物件を購入してしまったり」、「なにから勉強して良いか分からず不動産業者の言いなりになってしまう」恐れがあります。
自身のライフプランを見据え、将来必要な資金を計算し、目標のキャッシュフローを明確にすることが大切です。
キャッシュフローとは、支出を差し引いた手元に残る現金のこと
キャッシュフローとは、支出を差し引いた手元に残る現金のことです。
特に不動産投資を考えている方にとって、キャッシュフローの計算は重要です。
なぜなら、物件の賃貸収入からローン返済や管理費などの支出を差し引いた後にどれほどの収益が残るか、これが投資の成否を分けるからです。
またキャッシュフローの計算は、表面利回りではなく、実質利回りで計算しましょう。
表面利回りで投資判断をしてしまうと、隠れた出費などに気づけず、目標のキャッシュフローから離れてしまいます。
表面利回りと実質利回りについて
利回りとは、「年間で不動産収入がいくらあるか?」という率を表しています。
この利回りには、表面利回りと実質利回りがあるのでそれぞれを確認しましょう。
まずは表面利回りの計算式です。
表面利回り(%) = 年間収入÷物件価格×100
ざっくりと物件価格に対して、どのくらいの利益が得られるかを判断できる利回りです。楽待などのポータルサイトに表示されている利回りは表面利回りです。
次に実質利回りの計算式です。
実質利回り(%)= (年間収入−管理費等−固定資産税等−ローン元利金返済)÷総投資額×100
総投資額に対する年間で手元に残る税引き前キャッシュの率です。
目標のキャッシュフローを決めるには、この実質利回りで物件の投資判断をしていく必要があります。
不動産を運用するにあたって、どういった費用が発生するかは不動産投資 ランニングコスト一覧をご覧ください。
また利回りの計算について、詳しく知りたい方は下記の記事を参照ください。
目標が決められないなら「月収50万円」を目指そう
不動産投資における目標キャッシュフローの設定に迷われているなら、「月収50万円」を目標にするのはいかがでしょうか。
この数字は一般的なサラリーマンの年収を基に考えた場合、老後も現役時代と変わらぬ生活を送るために必要な収入額とされています。
本業である会社員の給料とは別に「月収50万円」の不動産収入は十分な額だと思います。
しかし、近年はローンを組むにしても自己資本として、約30%ほどの費用を準備する必要があります。(1,500万円の物件であれば、500万円の自己資金が必要)
自己資本を貯めるのは難しいといった方は、例えば安価な築古物件を購入して、高く売却することを複数回繰り返します。
不動産投資でリスクを取れるかでスタイルを決める
キャッシュフローを定めた後は、不動産投資のスタイルを決めていきます。
リスクが取れるというのは、「物件の購入資金の大部分を銀行からのローンでまかなうスタイル」を言います。
短期で目標のキャッシュフローを達成できますが、その反面で金利が上昇してローン返済額が上がると、キャッシュフローがマイナスになる場合があります。
しかし、リスクを取れるかは自信の属性や保有資産によって決まるもので、次で詳しく解説していきます。
リスクが取れる人と取れない人の違い
リスクが取れる人は、空室率や金利の上昇によって、キャッシュフローがマイナスとなっても、生活に支障が出にくい人のことを指します。
せっかく不動産投資を通して理想の生活を目指しているのに、属性に見合っていない投資をしてしまうと、常に支出に怯える日々が続き精神的なストレスを受けます。
そのため、不動産投資を始める前に、どちらのスタイルなのか、客観的に判断しておく必要があります。
まずは、リスクが取れる人の例を見てみましょう。
リスクが取れる人の例
- 年収が高く、不動産投資のキャッシュフローがマイナスになっても給与所得でカバーができる。
- 年齢が若い。
- 独身である。
- 金融資産を保有していて、最悪補填できる。
- 既に担保できる不動産物件を所有している。
次にリスクを取れない人の例を見てみましょう。
リスクが取れない人の例
- 収入は多くても、ローン返済などの月の支出が多く、不動産投資に回せるお金が少ない。
- 不動産投資のキャッシュフローがマイナスになったら、返済ができない状況。
- 定年間近で年金受給者の方。
- 金融資産に余裕がない方。
どちらの人でもまずは自己資金500万円を貯める
不動産投資をこれから始める方は、担保できる不動産物件を保有していない方がほとんどだと思います。
そのため、フルローンで不動産投資を行うのは難しく、初心者の方にはリスクが大きすぎるため、不動産投資で使える自己資金をまずは500万円貯めましょう。
500万円と定めているのは、500万円を自己資金として1,500万円の中古マンションを購入したり、500万円の築古物件を購入できる目安となるからです。
リスクを取れる人の例
リスクを取れる人が10年後に、キャッシュフローを月50万円にしたい場合、どういった投資例があるか見ていきましょう。
月50万円は年間600万円
600万円÷実質利回り2%=3億円
目標の50万円を実現するための投資規模は、3億円の投資物件が必要であると導き出せました。
これは1つの投資物件で実現する必要はありません。5,000万円の一棟マンションを6棟所有しても良いです。
一般的に約2〜3割以上の自己資金は必要になるため、1億円以上の自己資金を用意できる方は、3億円の物件をすぐに購入できる可能性が高くなります。
リスクを取れない人の例
リスクを取れない人は、自己資金を多くして、借入金の割合を少なくして購入することです。
自己資金の割合を5割とした時を例に考えてみましょう。
ローンの返済が少ない分、実質利回りは2%から3%に上昇するとします。
600万円÷実質利回り3%=2億円
【前提条件】
- 貯蓄1,000万円
- 給与所得などから年間200万円の貯蓄を見込める
- 実質利回りは3%
- 大規模修繕や税金の支出は想定していない。
1年目に自己資金1,000万円として2,000万円の物件を購入。表のように貯蓄が溜まった年に、物件を買い増ししていくと、23年目で目標のキャッシュフローを達成できます。
想像より長く感じられたでしょうか。いかに貯蓄と不動産投資以外の収入が必要であるかが伝わったかと思います。
そんな方にどうやって不動産投資を加速させて、早く目標のキャッシュフローを達成させるかを次に解説していきます。
不動産投資を加速させる方法
不動産投資は、適切な戦略と知識を持っていれば、資産形成や収入源として大きく貢献する可能性があります。
しかし、先ほどのシミュレーションを見た通り、5年などの短期間で達成できるものではありません。
そこで、不動産投資を加速させる方法をいくつか解説します。
金融機関に追加担保を提供する
融資を受ける際、金融機関は担保となる物件の価値を重要視しますが、追加担保を提供することで、より好条件での融資が可能となることがあります。
まずは、現在所有している不動産やその他資産の中から追加担保として提供できるものがないかを検討しましょう。
不動産運用を始めると初期に比べて借入金が年々減少していくことで担保に余力が生まれます。
こうした物件を金融機関に追加担保として提供することで、融資が受けやすくなったり、より多くの資金を借りることができます。
一般的に物件価格が高い方が担保能力を有していると判断されるため、12年目から4,000万円の物件に切り替わっています。
最初に自己資金を多めにして、複数の物件を保有していれば、不動産収入も増えてリスクが取れるようになります。
その後は、自己資金の割合を少なくできるため、想定よりも早く目標を達成できます。
短期間で自己資金を増やす
不動産投資を加速させるためには、投資に回せる自己資金の量も重要です。
自己資金を増やすためには、いくつか方法があります。
- 給与所得以外の副業を始める
- 日々の支出を減らして、貯蓄を増やす
- 購入した物件の利回りを上げる(リフォームや原状回復費を最低限にする等)
- 利回りの良い物件を安く購入する
また、現金や株式など、他の資産を活用し、不動産投資に回せる資金を作ることも有効です。
重要なのは、収入と支出を明確にし、自己資金の増加に向けて具体的な計画を立て実行に移すことです。
短期間で大きな資金を準備することは大変ですが、小さな節約や投資の積み重ねが収益性の高い不動産投資へと繋がります。
保有物件を売却してより大きな物件に買い替える
不動産投資で収益を上げるためには、時に保有物件の売却を検討し、収益性の高い大きな物件への買い替えを考えることも有効です。
物件の売却によって得られる資金を次の不動産物件の購入へ活用することで、資産運用のスピードを上げることができます。
売却する物件の選定に際しては、市場価値やリターン、保有期間の目安、市場の動向などを考慮に入れる必要があります。
また、新たに購入する物件についても、賃貸需要の高いエリア選びや建物の状態、収益計算を丁寧に行い、長期的な観点から収益性とリスクのバランスを見極めることが大切です。
不動産投資は適切な戦略と柔軟な対応が成功への鍵です。
金融機関との良好な関係構築、自己資金の効率的な増加、収益性の高い物件への再投資は、資産形成を加速させるための重要な手法です。
ライフプランを定めて不動産投資をスムーズに運営しましょう
ライフプランを策定し、その一環として不動産投資に目を向けることは、将来にわたり家族の安心と安定した収入の確保を目指す上で非常に重要です。
特に50代〜60代の皆様には、老後の生活資金の準備と相続対策という二つの大きなテーマがあります。
不動産投資は、賃貸物件からの家賃収入を通じて毎月の収支を改善し、また長期的には資産価値の増加が期待できるため、資産形成及び相続対策の一環としても非常に有効です。
しかしながら、不動産投資にはリスクと管理が伴います。
投資をする前に自分のライフプランをしっかり考慮し、理由や目的を明確に設定しましょう。
キャッシュフローや収益計算を十分に検討し、空室対策や管理費用、修繕積立金などの費用も考慮に入れる必要があります。
どういった支出があるかは、ランニングコストの記事を確認してみてください。
また、自己資金や融資の可能性、物件選びや価格の分析など、成功への道のりは多岐に渡ります。
この記事を通して、ライフプランの中での不動産投資の重要性と、それを実行に移すために必要な考慮点を理解いただければ幸いです。
シミュレーションで使用したエクセル表は無料でダウンロードできますので、下記の入力フォームから入手してみてください。
不安や問題もあるかもしれませんが、適切な計画と方法を用いれば50代〜60代の方々でも安心して不動産投資を始めることが可能です。
不動産投資は単なる資金運用ではなく、人生と家族の豊かな未来への大切なステップです。
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