不動産投資における「利回り」は、投資の成功を左右する重要な指標の一つです。
しかし、初心者の方にとっては利回りの意味や計算方法、そして理想的な利回りがどれくらいなのかといった疑問が山積みですよね。
この記事では、そんな「利回り」に関する知識を分かりやすく解説し、あなたの不動産投資成功への第一歩をサポートします。
特に、利回りには「表面利回り」や「実質利回り」など複数の種類があり、それぞれの違いを理解することが大切です。
また、地域別の相場や最低ラインも押さえておくことで、投資の判断基準が明確になります。
さらに、記事後半では具体的な利回りの計算方法や実際のシミュレーション例も紹介。これにより、あなた自身が数値を使って計画を練ることが可能になります。
不動産投資に興味を持たれている方々に向けて、注意すべきリスクや重要なポイントも併せて解説します。
最後まで読み進めることで、より確かな知識を持って不動産投資に取り組むことができるでしょう。
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不動産投資の利回り理想は5〜10%
理想的な利回りには個人差がありますが、一般的には5%〜10%が目安とされています。
ただし、購入する物件が「新築か中古」か「築年数」、「都心か田舎」、「物件タイプ」によっても異なります。
そのため、理想の利回りだけに捉われず、具体的な調査と分析が必要です。
不動産投資における利回りとは?
利回りとは、「年間でお金がいくら増えるか?」という率を表しています。
一般的に「利回り」という言葉が使われる場合は、「表面利回り」を指しています。
利回りと利率との違いとは?
利回りとは、投資した資金がどれくらいの収益を生むかを示す指標です。
具体的には、年間の収益を投資額で割った数値をパーセンテージで表します。不動産投資や株式投資でよく使われる指標であり、収益性を評価するために重要です。
利回りが高いほど、投資が儲かりやすいと考えられます。
利率とは、借り入れや預金に対して支払われる利息の割合を示すものです。
具体的には、銀行にお金を預けた場合、その預金に対して一定の利率が適用されます。
また、住宅ローンなどの借り入れに対しても利率が設定され、その利息を支払う必要があります。
利率は一般的に年単位で表示され、借りるコストや貯める利益に直結します。
利回りと利率の違いの具体例
利回りと利率を理解するためには、具体的な例を挙げると分かりやすいでしょう。
例えば、不動産投資で年間100万円の賃料収入がある物件に対して、購入費用が1,000万円だとします。
この場合、利回りは10%になります。
一方、銀行に100万円を預けて年利1%の利率がつく場合、1年間で得られる利息は1万円です。
このように、利回りは投資の収益性を、利率は金融商品による利益を示します。
不動産投資の利回りの相場と最低ライン
購入する物件が「新築か中古」か「築年数」、「都心か田舎」、「物件タイプ」によっても異なりますが、相場と最低ラインは、以下の通りです。
物件タイプ | 平均相場 | 最低ライン |
---|---|---|
区分マンション | 約3.0~5.0% | 約3.0% |
一棟マンション | 約8.0% | 約3.0% |
一棟アパート | 約8.5% | 約5.0% |
一戸建て | 約6.0〜8.0% | 約5.0% |
次に地域ごとの利回り相場を見ていきましょう。健美家の「収益物件 市場動向 四半期レポート」をもとに作成しております。
四半期ごとに更新されいきますので、最新情報は健美家のプレスリリースをご覧ください。
地域 | 区分マンション | 一棟アパート | 一棟マンション |
---|---|---|---|
全国 | 6.84% | 8.08% | 7.73% |
北海道 | 11.74% | 11.58% | 8.65% |
東北 | 12.38% | 11.86% | 10.94% |
首都圏 | 6.35% | 7.55% | 6.81% |
信州・北陸 | 16.07% | 13.19% | 12.74% |
東海 | 9.57% | 9.03% | 9.17% |
関西 | 6.91% | 8.59% | 8.26% |
中国・四国 | 13.04% | 11.46% | 11.72% |
九州・沖縄 | 9.39% | 9.26% | 8.93% |
利回りの計算は基本のき
利回りとは不動産投資における収益性を評価するための基本的な指標のひとつですが、この利回りにもいくつか種類があり、その意味や用途が異なります。
不動産投資の基礎なので、まずは利回りの意味を正しく理解することが不動産投資での成功の第一歩といえます。
大枠の考え方としては、収益性とリスクはトレードオフの関係にあるので、利回りが高い物件はリスクも高いと考えられます。
リスクをうまくコントロールすることが出来る人は高収益があげられるともいえます。
- 表面利回り
- 実質利回り(NOI利回り)
- 還元利回り(キャップレート)
- 期待利回り
- 全期間利回り(内部収益率)
表面利回り
表面利回りは、不動産投資の基本的な収益性評価指標であり、物件が生み出す年間総収入を物件購入価格で割ったものをパーセンテージで表示します。
この計算には、空室損、経費、税金、メンテナンス費用などは含まれないため、実際の収益を評価することはできません。
表面利回りは、投資物件の収益性を初期においては大まかに評価する際に有用ですので、広告に表記されている利回りの多くはこの表面利回りです。
実質利回り(NOI利回り)
NOI利回りは、総収入から空室損失を引いた実際の家賃収入から管理費や固定費などの諸経費を差し引いた営業純利益(NOI)を物件価格(取得原価・簿価)で割ったものです。
NOI利回りは、実際の購入価格を基にした収益性を示すため、購入後の投資収益の評価に使われます。
還元利回り(キャップレート)
キャップレートは、物件の現在の市場価格に対する年間純収益の割合を示す指標です。
キャップレートもNOI利回りと同様に年間純収益を用いますが、物件の現在の価格に基づいて計算されます。
NOI利回りは「物件購入価格」を基に計算し、購入後の収益性評価に使用されます。
キャップレートは「物件の現在価格」を基に計算し、購入前の市場比較や物件の評価に使用されます。
期待利回り
期待利回りとは、賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益のその資本相当額に対する割合をいう。
不動産鑑定評価基準 総論第7章第2節II1
期待利回りの計算は、還元利回りの計算方法に準ずるとされています。
還元利回りは、賃料から価格を求めるための利回り
期待利回りは、価格から賃料を求めるための利回り
全期間利回り(内部収益率)
全期間利回りとは、購入から売却までの全期間におけるインカム収支とキャピタル収支をトータルで計測した利回りです。一般的には内部収益率と呼ばれます。
表面利回りやNOI利回りは、購入時やある特定の時点での利回りを切り取っただけなので、トータルの収益がどうなるかという判定はできませんが、全期間利回りは、初期投資と期中の損益そして売却損益をトータルで評価する指標なので、当該賃貸事業の成果を示す明確な指標といえます。
IRRの計算には、購入時・保有時・売却時の3つの収支が必要です。
- 物件購入価格
- 賃料低下率
- 空室率
- 運営費
- 融資条件
- 保有期間
- 売却価格
例題
物件価格:1億円
GPI(潜在総収入):1000万円/年
空室損:200万円/年
運営費:200万円
10年後に9000万円で売却
- 購入時の表面利回り: 1000万円/1億円 = 10%
- 購入時の実質利回り: (1000万円-200万円-200万円)/1億円 = 6%
- 購入時のキャップレート: (1000万円-200万円-200万円)/1億円 = 6%
- 全期間利回り: Excel計算 = 5.2%
額 | |
---|---|
0年目 | -100,000,000 |
1年目 | 6,000,000 |
2年目 | 6,000,000 |
3年目 | 6,000,000 |
4年目 | 6,000,000 |
5年目 | 6,000,000 |
6年目 | 6,000,000 |
7年目 | 6,000,000 |
8年目 | 6,000,000 |
9年目 | 6,000,000 |
10年目 | 96,000,000 |
IRR | 5.21% |
利回り計算のシミュレーションをするには
利回りといえば、一般的に使われていて分かりやすいのは「表面利回り」です。
しかし、表面利回りは「投資時点の」賃料と物件価格の関係だけしか知ることができません。
不動産投資は長期の投資ですので、10年後、20年後には賃料が低下したり、空室率が悪化したりして期中の収支は変動します。
また、将来、物件を売却しようとしたとき、物件の経年劣化やNOIの低下により売値が下がってしまうこともあります。
逆に都心部では土地の価格上昇により地価が上がって物件価格が上がることもあります。
不動産投資は、インカムゲンが基本といわれますが、売却損が賃料収入を全て食いつぶしてしまえば何のための投資かわかりません。
投資家にとって必要な情報は、賃料が低下することと、物件の価値も下がっていくことを考慮したうえでの投資利回りのはずです。
全期間利回りは、それらを考慮したうえでの投資利回りです。
全期間利回りを利用することで、表面利回りだけでは見えない、将来を考慮した利回りを見ることができます。
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