【3つだけ】家賃を値上げするには正当な理由が必要!

家賃値上げコラム

近年、コロナ禍を背景に物価上昇が進み、国民生活にも多大な影響を与えています。

その中で、家計に大きな割合を占める「家賃」の動向には、特に関心が集まることでしょう。

ある日突然、管理会社から家賃値上げの通知が届いた。

しかし、その理由ははっきりしない。

更新時の家賃上昇は、よくある話ではありますが、勝手にと言わざるを得ない値上げに拒否感を示す人は少なくありません。

家賃の値上げの正当な理由として認められているのは、3つだけです。

賃貸人が退去を希望したり、支払い拒否などのトラブルにならないように、法律の解説や正しい手順を解説していきます。

これからインフレによって不動産物件の価格が上昇したり、管理費用が増えたりすることによって家賃の値上げをする可能性が高いです。

その際、スムーズに交渉を進められるように知識を身につけておきましょう。

佐賀大学卒業
公共土木設計に10年、測量・登記・開発に16年、不動産実務に13年、相続・後見に11年。
保有資格は土地家屋調査士、測量士、2級建築士、宅地建物取引士、相続対策専門士など他多数。
実務実績は相続相談件数が2,000件、任意後見契約数が300件、不動産売買仲介数が350件など他多数の豊富な実績。
コラムは実務での実体験を交えてわかりやすく解説しています。

トータル50年の実務実績を活かし、現在は不動産で悩む人がいなくなるよう、正しい不動産の知識を広める活動をしています。

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    目次

    家賃を値上げするには正当な理由が必要です

    家主が家賃を値上げする際は、お互いの信頼関係を保ったまま交渉を成功させるために、正当な理由が求められます。

    値上げを拒否されることなく、お互いに納得のいく結果を得るためには、値上げの理由を文書などできちんと伝える必要があります。

    物価上昇や市場の相場の変動など、値上げを正当化する諸事情を、しっかりと示すことが重要となります。

    正当な理由として認められる例

    家賃値上げの正当な理由には、いくつかの事例があります。

    • 不動産物件の維持費や税金が上昇した
    • 不動産物件の資産価値が上昇した
    • 周辺の不動産物件の相場よりも家賃が安い

    たとえば、近年の経済状況に伴い、物価が上昇し維持費用が高くなった場合や、不動産市場での家賃相場が上がっていることを証明できる場合です。

    また、築年数が経過し、建物の修繕や改善を行うために費用が発生した場合も含まれます。

    このような増額は「法定更新時」に行われることが多く、正当な理由として認められれば、適正な家賃への調整が可能です。

    正当な理由として認められない例

    一方で、家賃値上げの正当な理由として認められない例は以下の通りです。

    • 賃貸人の経営悪化によるもの
    • 周辺の不動産物件の相場からかけ離れている
    • 賃貸借契約の中に家賃増額を禁止する特約が定められいる

    正当な根拠が欠けた値上げは認められません。

    勝手に家賃を上げる、通知なしで上昇させる行為は言うまでもなく禁止です。

    単に賃貸人の利益を増やすために行われる値上げは、賃借人からの強い反発を受ける可能性が高く、裁判に発展するケースも少なくありません。

    よくある事例としては、家賃を市場の相場に合わせて引き上げる際、単に「相場が上がった」と伝えるだけではなく、相場データや物価上昇の具体的な数値を示すことが求められます。

    この過程を疎かにすると、賃借人は賃貸人の言い値に納得せず、拒否や交渉失敗につながりやすくなります。

    コロナ禍における収入減を受けて、家賃の引き落とし金額をただちに上げるのではなく、賃借人の状況を考慮した対応も望まれます。

    特に、家賃の値上げを成功させるためには、賃借人からの信頼を得ることが不可欠です。

    賃借人側も納得できる形で値上げが行われれば、追い出しや裁判といったトラブルへのリスクを減少させることができます。

    賃借人の気持ちを考えれば予想外の出来事です

    賃借人の気持ちを考えれば、突然家賃の値上げが通知されて予想外の出来事であると言えるでしょう。

    だからこそ、賃貸人は自分の気持ちを急ぐのではなく、正当な理由や手続き、賃借人の引越し先のケアなど誠実な姿勢を見つけることが大切です。

    そうすることで賃借人も歩み寄る姿勢を見せてくれるでしょう。

    大前提として計画的な賃貸経営を目指しましょう

    社会情勢や周辺環境の変化による、家賃の値上げは正当な理由に当たりますが、収支計画が甘いことで「修繕費用が予定よりも不足してしまった。」「周辺家賃の相場よりも低く設定してしまった。」といった理由での家賃の値上げは避けましょう。

    物件を購入する前や賃貸経営をスタートする時点で余裕を持った計画を行い、安定的な賃貸経営を目指しましょう。

    ライフプランニングシートでは、将来設計や物件の購入可否などを初心者の方でも簡単に算出することができおすすめです。

    家賃の値上げによる大家のメリット・デメリット

    賃上げによって大家にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

    メリットデメリット
    ・家賃収入が増える・退去される恐れ
    ・裁判まで発展する恐れ
    ・夜逃げされる恐れ
    大家のメリット・デメリット

    大家には一番の狙いである「家賃収入が増える」がメリットとして挙げられます。

    その一方で「入居者の退去」「裁判まで発展」「夜逃げのリスク」があります。

    詳しくは次の章で解説していますが、仮に夜逃げされた場合は勝手に居室内の荷物を処分することができませんので、次の入居者を入れることもできず、家賃収入が得られない期間が生まれます。

    そうなってはトータルで家賃収入がなくなるので、慎重に交渉を進める必要があります。

    家賃の値上げによる入居者のメリット・デメリット

    賃上げによって入居者にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

    メリットデメリット
    ・周辺の家賃相場が下がった場合に値下げ交渉をしやすい
    ・更新料の半額や備品の購入など交渉ができる
    ・家賃の支払い額が増える
    入居者のメリット・デメリット

    入居者にはデメリットが大きく見えますが、メリットもあります。

    1つ目は家賃相場が下がった場合に「値下げ」交渉がしやすいことです。インフレや周辺地域の再開発によって、家賃の値上げ通知があったとしても、不動産物件は年々と老朽化していき、周辺に新しいマンションが増えていきます。

    その状況となる具体的な年数は築年数や経済状況によって様々ですが、現在の家賃(家賃が値上げされる前の金額)と同じかそれ以下になる場合があります。

    そうなった場合に一度家賃の値上げ交渉をしているので、値上げの交渉が通りやすくなるメリットがあります。

    2つ目は家賃の値上げを承諾する代わりに条件を付けることです。一番されているのは「更新料の半額」です。

    賃貸借契約の更新のタイミングで家賃の値上げ交渉が行われることが多いので、その際に更新料の半額を交渉する入居者はいます。

    その他にも「古くなったエアコンの交換」「ウォシュレット付きのトイレに交換」などの備品の購入を管理者側に負担してもらう交渉が挙げられます。

    法律ではどのように定められているのか?

    家賃の値上げに関しては、借地借家法という法律で定められています。

    (借賃増減請求権)

    第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

    第三十二条 借賃増減請求権

    先ほどの正当な理由として認められる例でも紹介した通り、3つだけが該当されます。

    • 不動産物件の維持費や税金が上昇した
    • 不動産物件の資産価値が上昇した
    • 周辺の不動産物件の相場よりも家賃が安い

    「家賃の値上げをしない特約」が盛り込まれてませんか?

    賃貸借契約の中に「家賃の値上げをしない」といった内容が盛り込まれている場合は、家賃の値上げは賃貸借違反となるためできません。

    借地借家法の32条で定められている正当な理由に当てはまっていた状況でも家賃の値上げはできません。

    家賃の値上げ交渉によってトラブルになることも…

    賃貸物件の運用中、家賃収入の増加は望ましいことですが、値上げにはリスクも伴います。

    コロナや物価上昇を受け、家賃の値上げを検討されるオーナー様もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、家賃の値上げは時にトラブルを招き得ますので、慎重な対応が求められます。

    家賃の支払い拒否される恐れ

    家賃の値上げを告げた場合、入居者から支払いの拒否という反応があるかもしれません。

    特に、正当な理由もなく、勝手に家賃を上げたと感じた入居者は、そのまま引き落とし金額を支払わないことで抗議する行動に出る場合があります。

    この時、通知なしに家賃を上げたと解釈されてしまうと、裁判にも進む可能性があります。

    したがって、家賃の値上げを実施する際には、法定更新のタイミングで入居者へ事前に通知しておくことが重要です。

    また、相場や上昇する家賃の理由を明確にし、入居者の理解を得る試みも必要不可欠でしょう。

    値上げを理由に解約される恐れ

    家賃の値上げは、入居者にとって大きな負担となりうるので、解約に繋がることも考えられます。

    更新時に家賃が上がることを知った入居者が、「もう支払いたくない」と新しい住まいを探すケースがあります。

    これはオーナーにとって賃料収入の減少という失敗につながります。

    よくあるのは、家賃の相場が上昇しているとはいえ、値上げの幅が大きすぎたり、値上げの成功を過信してしまったりした場合です。

    そのため、相場を把握し、優位に交渉を進めることが、このような状況を避ける上で鍵になります。

    夜逃げされてしまう恐れ

    最悪のシナリオとして、家賃値上げを知らされた入居者が夜逃げをする危険性も否定できません。

    特に、家賃の値上げを受け入れられない賃借人や既に金銭的な問題を抱えている方が、さらなる負担に耐えかねてこのような選択をすることがあります。

    夜逃げされてしまうと、物件は空室となり、家賃収入は当然ながら途絶えます。

    また、部屋に残された荷物の処分や、保証会社への連絡、新たな入居者の募集等、追加的な労力やコストが発生します。

    したがって、家賃の値上げを通知するタイミングや方法、そして入居者の現在の状況などを十分に考慮し、対応を慎重に行うことが大切です。

    家賃を上げることは、物件の価値維持や収益向上のためには時に必要な措置です。

    その一方で、上記のようなトラブルに巻き込まれるリスクも考慮しなければなりません。

    実際に値上げを行う場合には、賃借人とのコミュニケーションを大切にし、法令や規定を遵守しながら慎重な手続きを進めることが、トラブルを回避し、双方にとって最善の結果をもたらすでしょう。

    そして、可能な限り物価上昇など外部環境の変化も考慮した上で、適切なタイミングで交渉に臨むことが成功の鍵を握ります。

    一方で家賃の値下げを依頼される場合がある

    正当な理由として挙げた借地借家法32条の3つは、家賃の値上げだけではなく、「値下げ」を行うための理由としても活用されています。

    借地借家法は賃借人を保護する法律なので、値下げという観点で32条を捉えている方が多いです。

    賃貸人の立場としては、家賃収入が減ってしまうのでとても辛いことです。

    賃借人の立場としては、「長く住み続けているから」「周辺の物件と比べると設備が古くなってきた」「マンション全体で空室が目立ってきた」などの理由から値上げを依頼します。

    この家賃の値上げがメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは賃貸人の収支計画に多く影響します。

    メリットデメリット
    ・引き続きトラブルや苦情のない入居者が居続けてくれる。
    ・退去されることによって発生する費用がかからない(原状回復費、広告費、空室による無収入)
    ・家賃収入の減
    賃貸人の値上げ交渉を受けるメリットとデメリット

    また次の入居者がいわゆる「モンスター入居者」である可能性がないわけではありません。一昔前に「騒音おばさん」が話題になりましたが、トラブルや苦情が絶えない入居者であった場合に他の入居者が退去する可能性も高くなります。

    そのリスクを考えると、今までトラブルや苦情のない入居者が家賃の値下げに応じることで居続けてくれることは大きなメリットと言えます。

    賃借人として一番痛手となるのが空室期間が長くなることです。家賃の値下げ交渉される時は、築年数も一定期間経っているので次の入居者が決まるまでに時間を要することが考えられます。

    そのことを踏まえた上で、どちらが賃貸人にとってプラスになるのか考えて決断をしましょう。

    家賃値上げを成功させる交渉手順

    正当な理由があり、家賃の値上げを賃借人に通知することになった場合、成功させるには、どのような交渉手順で進めれば良いか解説していきます。

    値上げの通知をする

    家賃の値上げを決定したら、賃借人にその旨を通知する必要があります。

    ここで大切なのは、法定更新のタイミングで通知すること、そして、追い出しを防ぐためにも事前の準備と正しい手順を踏むことです。

    更新時に家賃を上げる理由となる要因として、相場の上昇や物価の増加を挙げることができます。

    ただし、「勝手に値上げをする」と感じさせたり、「通知なしで家賃を引き落とし金額に上乗せする」といった行為は避けなければなりません。

    メールや文書を利用して正当な形で通知し、借主の拒否感を最小限に抑えることが成功への鍵となります。

    まず、値上げの通知文書は明瞭で、適切な法的用語を盛り込んだものでなければなりません。

    文章の例文を挙げると、「これまでのご契約の更新に際して、賃料の見直しを行いたいと存じます。周辺相場の上昇によるコストの増加が理由です」といった内容が適切です。

    通知のタイミングは、更新時の少なくとも一か月前には行うことが大事です。これにより、賃借人も新しい家賃に関して検討する十分な時間を持つことができます。

    調停で第三者も交えて話し合う

    値上げに対し、賃借人が拒否反応を示した場合、調停を最初に行うことが民事調停法で定められています。

    (地代借賃増減請求事件の調停の前置)

    第二十四条の二 借地借家法(平成三年法律第九十号)第十一条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法第三十二条の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。

    民事調停法 第24条の2

    調停では、違う視点から問題を見る第三者が加わり、両者の主張を公平に聞きます。これにより、時には新たな解決の道が開けることがあります。

    調停は裁判に比べて手続きが簡単で費用も抑えられるため、両者にとって有益です。

    まず専門家や自治体の斡旋を得て、調停委員会のセッションを設けましょう。

    ここでは互いの立場を尊重し、家賃の値上げが失敗に終わらないよう、正当な理由と相場のデータを基にして話を進めます。

    具体的には、物価上昇や経営的な理由を説明し、賃借人の意見もしっかりと聞きましょう。

    賃借人の負担増に対して理解を示すことも重要です。

    例えば、家賃の上昇率を相場の範囲内で抑える、一時的な支援を申し出るといった配慮がトラブルを避けるヒントになります。

    調停を通じて、双方が納得いく解決を目指します。

    まとまらない時は訴訟へ

    話し合いや調停によっても問題が解決しない場合、最終手段として訴訟に訴えることになります。

    裁判は、法的強制力を伴う決定を得るための手段ですが、時間やコスト、精神的な負担を伴うことを覚悟しなければならないでしょう。

    訴訟に際しては、専門家である弁護士に相談して、適切な訴訟手続きを進めていきます。

    家賃の上昇が十分に正当化される証拠、例えば相場情報や物価指数の変動、物件の改修履歴などをしっかりと準備し、法廷での主張に備えます。

    裁判は予測不可能な要素が多いため、事前に万全な準備を行うことが肝要です。

    話し合いで解決する場合は合意書の作成

    もし話し合いが上手く行き、双方が合意に至った場合、その内容を文書化する必要があります。

    合意書は、今後のトラブルを避けるための重要な文書です。

    合意内容を正確に記載し、双方が署名・押印を行うことで、正式な効力を持つことになります。

    合意書には家賃の新額、値上げの適用開始日、更改個所が全て明記されるべきです。

    ポイントは簡潔かつ明確に、誰が読んでも理解しやすい書式を心がけることです。

    この文書が、今後更新時に参照される基本情報となり、双方の拠り所となります。

    また、合意書を作成したら、双方にコピーを配布し、誤解が生じないようにし、紛失に備えてそれぞれが保存することが重要です。

    交渉が無視されたらどうする

    不動産投資において、時には賃借人との間で家賃に関する交渉が生じることがあります。

    しかし、賃借人が交渉を拒否し、通知なしで反応がない場合、賃貸人としてはどのような対応を取るべきでしょうか。

    賢明な対策を練っていくことが成功への鍵です。

    現状維持も検討する

    交渉が無視された際、最初に考えるべきは、なぜ賃借人が交渉を拒否するのかを冷静に分析することです。

    家賃の値上げを提案したにも関わらず応じない理由はいくつか考えられます。

    例えば、賃借人の経済状況、周辺の家賃相場、物件の状況、コロナの影響などが挙げられます。

    これらの要因を理解した上で、場合によっては現状維持の選択肢も有効な場合があります。

    特に50代、60代の方にとって、固定収入の一部となる家賃収入は安定を重視したいところです。

    また、長期間にわたって安定した収益に繋がる安心感を優先することも重要です。

    物価上昇の今、即時の収益を求めすぎず、むしろ逆に現状維持を選択することで、安定した収入源とすることが賢明な戦略と言えるでしょう。

    収益が見込めない場合は売却

    投資物件が希望通りの収益を生まない場合、売却を検討するのは合理的な選択です。

    賃借人からの反応がない状態が続き、かつ家賃収入が期待値に満たない場合、市場価格を見極めながら売却時期を決めることが肝要です。

    物件を売却することで、より収益性の高い投資に資金を回すことができますし、相続対策としても物件を整理する良い機会となります。

    また、市場の動向に注目し、相場が上がるタイミングを見計らって売却することで、より高いリターンを得る可能性が高まります。

    この過程では、正当な理由での売却であることが証明できるよう文書を準備したり、買い手との間で公正な交渉を進めたりすることが不可欠です。

    賃借人の追い出しをすることは原則できません

    家賃交渉が決裂し、賃借人の追い出しを考える投資家もいるかもしれませんが、これは法律によって厳しく制限されています。

    賃借人を追い出す行動は裁判に発展するリスクがあり、大きな失敗に繋がる可能性があります。

    また、追い出しには多額の費用と時間が必要となりますし、その間物件は空室となり収入が途絶えることになります。

    法定更新時でも、賃借人に対して更新拒否の通知は必要ですし、借主が入居している状態で勝手に家賃を引き上げる、通知なしで契約を変更するといった行為はできません。

    したがって、法律知識を正しく理解し、平穏かつ合法的に交渉を進めることが求められます。

    違法な手段に訴えることは、最終的には自身の不動産投資の信用失墜に繋がるため、決して適切な方法ではありません。

    無理やり家賃を上げることも原則できません

    家賃を無理やり上げることは、通常法に抵触します。

    家賃を上昇させる際には、明確な理由が必要です。

    例えば物価上昇や周辺相場の変動などの市場の状況変化に基づく正当な値上げは認められますが、それも賃借人への十分な説明と協議が不可欠です。

    家賃5000円上げるからよろしくとはなりません。

    2024年夏にSNSの投稿にて、「家賃が上がりますという管理会社からのお知らせに『嫌です。契約書にも普通賃貸借と書いてあるので、私の合意なく家賃は上げられないはずです』と連絡したら、バグったらしく返事がない。」とつぶやいたユーザーが大きな注目を集めていました。

    賃貸借契約に馴染みのない方にとっては、「家賃の値上げって拒否できるの?」と投稿を見て、驚いたことでしょう。

    賃貸契約では、正規の手続きを経て更新時に家賃の見直しを行うのが一般的ですが、賃借人の合意がなければ実行に移すことは難しいです。

    ここで注意すべき点は、家賃の引き上げが賃借人の経済状況を無視した過度なものであってはならないということです。

    率直なコミュニケーションを通じて、双方が納得できる条件を模索するべきです。

    メールや例文での説明文書の作成も、交渉成功の一助となります。

    家賃の値上げ交渉のまとめ

    家賃の値上げは、コロナの影響や物価上昇の背景を考えると、時には理解できる話です。

    しかし、賃貸人が法定更新の際に家賃を上げることを考える場合、賃借人がこれを拒否する選択肢もあります。

    もし拒否されたら、家主はその理由が正当かどうかを判断するために裁判を選ぶかもしれませんが、成功と失敗は紙一重です。

    多くの場合、法律的な根拠のある文書や例文、メールなどでのきちんとした通知が必要となります。

    相場の上昇によって更新時に家賃が上がることはよくある現象です。

    しかし、勝手に引き落とし金額を上げる、通知なしで家賃を変更するなどは正当な理由とは見なされません。

    したがって、家賃の値上げには透明性が求められ、理由がはっきりしていなければ、追い出しにつながりかねません。

    このように、家賃値上げは繊細な問題です。

    違う見解もあるかもしれませんが、不動産投資の専門家として、賢い対策を心掛けましょう。

    相続対策を見据え、納得のいく投資計画を立てることが成功の鍵です。

    皆さんが少しでも悩みが解消し、楽しく不動産世界を覗けるよう、今回の知識をお役立てください。

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