相続で土地を引き継いだが地番までしか分からず、場所の特定で困っている方が多いのではないでしょうか。
実際に当社でもご依頼いただいた際に、先ず物件の場所を特定することに苦慮しています。
親から土地を相続したが、Googleマップで調べても正確に出てこず困っている方や専門家の方で実務として活用する方向けに奥の手を紹介します。
2024年4月1日より、相続登記の申請が義務化されたことによって、多くの方に参考になることを願っております。
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地番と住所の違いとは?
地番と住所、これらは一見同じように見えるかもしれませんが、それぞれ異なる役割を果たしています。
地番は土地の識別に用いられる番号で、住所(住居表示)は郵便物の配達や居住地を示すためのものです。
名称 | 管理 | 内容 |
---|---|---|
地番 | 法務局 | ・土地を特定するために割り振られた表示方法 ・土地の登記関係に使われる |
住所 | 市町村 | ・建物ごとにつけられた表示方法 ・郵便の配達や緊急時の場所特定に使われる |
次に、それぞれの詳細について見ていきましょう。
地番とは?
地番とは、土地を特定するために割り振られた表示方法です。
この表示方法は法務局が定めています。
これは公図や登記簿に記載されており、土地の所有権や利用権を確認する際に使われます。
しかし、地番はすべての土地についているわけでなく、以下の場合は地番の設定がありません。
- 所有権が明らかになっており、納税が不要な国有地
- 登記がされていない未登録の土地
住所(住居表示)とは?
住所、または住居表示とは、私たちが普段使う場所の表示方法です。
この表示方法は市町村が定めています。
これは郵便の配達や緊急時の場所特定に使われます。
住所は地番に基づきますが、より分かりやすく、建物や道路の名前を使って表示されます。
例えば、「東京都渋谷区道玄坂二丁目」といった具合に、行政が設定するため、住所が変更されることも稀にあります。
この住所は物件情報や契約書にも記載され、実生活に直結しています。
地番と住所の違いについて
地番は土地そのものを特定するための番号であり、住所(住居表示)は人が住む場所を表すための表示です。
地番は登記や税金の計算など、公的な手続きで重要となりますが、住所は日常生活や郵便物の配達に使われます。
また、地番は土地単位で細かく指定されるのに対し、住所は一般の人々が理解しやすいように簡略化されています。
このように、それぞれ役割が異なりますので、両方の意味を理解しておくことが肝心です。
土地の場所がわからない時の奥の手2つ
地方の山林や農地を相続したときなど、登記簿や課税明細しかなく地番だけしか分からない場合、調査を開始する際に、場所の特定ができないことがあります。
先ずここでつまずくことが多いです。
グーグルマップで調べれば大体のところは調べられますが、中には、地番入れてもグーグルマップ上で特定できないこともあります。
そんな時は、次のような方法で特定しています。
- 公図の座標から特定
- 公図と地形図から判別
①公図の座標から特定
公図には、よく見ると右上と左下にXY座標が記載されているものがあります。
ここで注意が必要なのは、学校で習ったX軸は横方向ですが、測量のX軸は縦方向なのです。
また、座標はその地域によって座標系が定められていて、日本全国では19種類の座標系があります。
座標変換計算を行う場合は、そのエリアの座標系にもとづき実施する必要があります。
この座標値を国土地理院の座標変換サイトで入力すると地図上に示してくれます。
このときに「座標系」も選ぶ必要があります。座標系については、測量法により次のように定められています。
こちらのサイトもお勧めです。
公図と航空写真の重ね図も可能
座標入りの公図の場合、こちらのサイトで航空写真と公図を重ねることができます。
登記情報の公図データを読み込ませます。
図面の縮尺、図郭左下X座標、図郭左下Y座標、地図の座標系を入力(自動で読み込んでくれる場合もあります)
②公図と地形図から判別
公図に座標がない場合は、、、、
公図の道路の形と地形図をひたすら見合わせて、必死で見つける!
ポイントを挙げるとすれば、ゼンリン地図やグーグルで住所が出ている箇所の地番(住居表示)を公図上で探して行けば、うまくいけば時短になります!
まとめ
今回は土地の場所がわからない時の奥の手2つを紹介しました。
公図の座標や地形図を利用する方法が非常に有効です。
公図の座標から特定する方法は、正確に土地を特定することができますし、地形図と航空写真を照らし合わせることでより詳細な状況を把握することができます。
相続で土地を引き継いだが地番までしか分からず、場所の特定で困っている方のお役に立てれば幸いです。
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