デジタル遺品とは？問題点や生前整理の方法を紹介

近年、スマホやパソコンの普及により、私たちの生活には多くの「デジタル遺品」が存在するようになりました。デジタル遺品とは、故人が残したデジタル機器を通して確認できるデータやインターネットで契約したサービスのことを指します。

これらを適切に管理しないと、例えばパスワードが解除できず、大切な写真や動画にアクセスできなくなるリスクがあります。また、見られたくない情報が他人の目に触れる可能性もあります。

特に50代、60代の方々にとっては、こうしたデジタル遺品の整理は生前にしっかりと考えておくべき大切な課題です。どのように電子データを取り扱い、どのタイミングで整理するべきなのか、さらに整理業者の利用も視野に入れて、安心して未来に備えるためのヒントをお届けします。

次のセクションでは、ブログやSNS、インターネット口座など様々なデジタル遺品の種類と、その管理方法について詳しく解説します。相続対策にデジタルの視点を取り入れることで、よりスムーズな相続準備を進めてみませんか？

デジタル遺品とは？

独立行政法人国民生活センターによると、デジタル遺品とは、「デジタル機器を通して確認できるデータやインターネットで契約したサービスのことを指し、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器そのものは含まない。」と定義されています。

これらのデータには、写真やビデオ、メール、SNSのアカウント情報、インターネット口座のパスワードなどが含まれます。デジタル遺品は、見られたくない情報も含まれるため、生前整理が重要です。

特に50〜60代の方にとって、パスワード解除や整理業者の利用がスムーズな整理に役立つでしょう。

デジタル遺品の種類

デジタル遺品にはいくつかの種類があります。生前整理を意識しつつ、整理業者などのサポートを利用することも検討しましょう。

デジタル遺品は、意外にも相続対策の一環として重要な役割を果たすことがあります。不動産投資と同じくらい、注意深く扱うことが求められます。

デジタル機器内のデータ

デジタル機器内のデータとして、スマホやパソコンに保存された写真、音楽、文書、そしてアプリの情報があります。

これらは個人情報で、時には見られたくない内容が含まれることもあります。生前にこれらのデータを整理しておくと、家族が安心してデジタル遺品を管理できます。

ブログやSNS

ブログやSNSのアカウントもデジタル遺品の一部です。これらには個人の思い出や交友関係に関する情報が詰まっており、見られたくないプライベートな内容も含まれていることがあるため、注意が必要です。

生前整理の一環として、必要な情報をバックアップし、不要なアカウントは早めに削除することをおすすめします。アカウントのID・パスワードを整理しておくことが、後々スムーズなデジタル遺品の整理につながります。

インターネット口座

インターネット口座は、ネットバンクやFX・株式情報などの金融関連のアカウントを指します。

これらのアカウントには財産が関与しているため、相続対策として特に注意が必要です。

どうしたらよいかわからない場合は、専門家の意見を聞くことが有益です。不動産投資にも関わる可能性があるため、家族と情報を共有し、準備を進めておくことが大切です。

デジタル生前整理(デジタル終活)の方法

デジタル生前整理(デジタル終活)は、デジタル遺品の問題やパスワード解除の手間を減らす重要な生前対策の1つです

スマホやパソコンにたまった電子データは、普段は気にならないかもしれませんが、整理しておくことで生前中の安心感を得られます。また、50〜60代の方々にとっても、今後の相続対策の一環として取り組むことで、家族への負担を軽減することができます。以下に具体的な方法をご紹介します。

定期的に写真や動画を整理する

日常生活で撮影した写真や動画は、スマホやiPhoneなどのデバイスに膨大に溜まっていきます。

これらのデータは思い出として重要ですが、放置しておくと整理が大変です。定期的な整理が重要で、古い写真や動画をバックアップすることで、大切な思い出を安全に保管できます。

また、不要なものを削除することで、デバイスの容量を確保し、日々の操作性を向上させることができます。

見られたくないものはロックをかける

電子データの中には、プライバシーを守りたいものや見られたくない情報も存在します。

そんなデータにはパスワードをかけたり、専用のアプリを使ってロックをかけるのがおすすめです。特に、銀行の情報や個人情報が含まれるファイルは要注意です。家族に誤って見られることを避けるためにも、しっかりとセキュリティ対策を施すことが重要です。整理業者に依頼する際も、こうしたデータが第三者に見られないよう配慮しましょう。

また、「ロックされているフォルダやファイルは決して開かず、そのまま削除してほしい」とあらかじめ明確に伝えておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

エンディングノートを活用する

電子データの取り扱い

紙の記録とは異なり、電子データは時代とともに消失するリスクがあります。データの種類や場所を把握し、どうしたら他の人がデータにアクセスできるのかをメモしておくと良いでしょう。特にデジタル遺品となるべきデータは、後の世代が適切に管理できるよう、エクセルファイルなどでまとめ、パスワードやロック解除の手続きも併記しておくと親切です。これは、相続対策の一環としても非常に重要です。

エンディングノートは、自分の希望や大切な情報をまとめるのに便利なツールです。ネット通販や本屋さんにて、1,000円ほどで購入できます。

また法務省がエンディングノートの雛形を公開していますので参考にしてみてください。

デジタル遺品の項目を設け、パスワードや重要なオンラインアカウントの詳細を記載しておくと、相続対策がしやすくなります。

特に不動産投資関連の情報を記録しておくことで、家族に適切な処理方法を提供できます。

契約サービスやネット口座のID・パスワードを一覧にする

生活の中で契約しているサービスやネット口座は、実際にどれほどあるか把握していますか？

現在契約しているサービスや各種口座の情報を一覧にし、どのメールアドレスで登録しているのか、パスワードは何かなどをまとめて記録しておくとよいでしょう。

これにより、家族がスムーズに手続きを行えるようになり、相続の手間を大幅に減らせます。また、必要のないサービスの解約もこの機会に検討することができます。

スマホのパスワードを書いた紙を保管しておく

スマホ、特にiPhoneなどのパスワードを整理しておくことは、デジタル生前整理において非常に重要です。スマホがパスワード解除できない状態になると、データにアクセスできなくなり、整理が難しくなります。

そのため、パスワードを紙に書き、信頼できる場所に保管しておくと良いでしょう。

ただし、第三者が容易に見れないようマスキングテープで保護しておくことも大切です。保管場所をよく考え、信頼できる人にだけ見せることができる環境を作ります。

自分が亡くなったあとアクセスできる人を指名しておく

自分が亡くなった後、スマホやパソコンのデータに誰がアクセスできるかを事前に決めておくことは重要です。遺された家族や関係者がデジタル遺品にアクセスできないと、大切な情報が失われる可能性があります。

このため、自分のデジタルデータを整理してくれる人を指名しておきましょう。整理業者の利用も一つの方法ですが、信頼できる親族や友人に依頼するのも有効です。相続対策の一環として、デジタル情報をどうしたら良いか、家族と一緒に考えていきましょう。

デジタル遺品の問題点とは？

パスワード解除や個人情報の取り扱いが問題となり、思いもよらぬトラブルを引き起こすことがあります。

デジタル生前整理する際の問題点を知っておくことで、未然に防ぐことが可能です。

デジタル機器のパスワード解除ができない

故人のスマホやパソコンがロックされている場合、パスワード解除は至難の業です。

特にiphoneなどのデバイスはセキュリティが強固なため、専門業者の助けが必要になることも少なくありません。しかし、整理業者を介せば、全てが解決するわけではなく、法的な手続きが絡むこともあります。

生前に家族でデジタル機器のパスワード管理について話し合っておくことが、後々のトラブルを避ける鍵となるでしょう。

デジタル機器からデータが流出

デジタル遺品の取り扱いを誤ると、故人の個人情報が意図せず流出してしまう恐れがあります。

メールや写真、個人情報が入ったデータが第三者の手に渡らないよう、データ管理の方法を前もって考える必要があります。生前からデータのバックアップを取り、必要に応じて削除しておくことが重要です。

また、信頼できる家族にだけお願いすることも一つの選択肢となります。

定額サービスの支払いが止まらない

故人が利用していた定額制のオンラインサービスの支払いを止めることは、少々手間がかかります。

これらのサービスは通常、自動引き落としで料金が発生しているため、放置しておくと多額の支出につながることも

手続きをスムーズに進めるためには、どのサービスに契約していたかを把握し、アカウントの削除や解約手続きを行う必要があります。生前整理の段階で、アカウント情報を整理しておくと良いでしょう。

遺族に「知られたくないこと」が知られてしまう...

デジタル遺品には、故人が家族に知られたくない情報も含まれていることがあります。個人的なメッセージや閲覧履歴などが含まれるため、遺族としては気を使う場面も多くなります。

そのため、日常的に電子データの扱いを慎重に行い、整理整頓を心掛けることが望ましいでしょう。また、「ロックされているフォルダやファイルは決して開かず、そのまま削除してほしい」とあらかじめ明確に伝えておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

ネット証券などの遺産の実態が分からない

ネット証券は重要な金融資産で、遺産の一部として扱われます。

しかし、アカウント情報が不明瞭な場合やパスワードが分からない場合、資産の確認自体が難しくなることがあります。見えない資産の整理は、遺族にとって大きな負担となり得ます。

金融資産に関する情報は、早めに家族と共有し、生前整理の一環として、これらのアカウントをどうしたらよいか対策を考えておくか、この分野に詳しい専門家に相談するのも良いでしょう。

トラブルを避けるため、デジタル遺品は生前に整理しておきましょう

デジタル遺品の整理は、現代における相続対策の重要な一環です。

スマホやiPhone、パソコンに残されたデジタルデータは、パスワード解除が必要な場合も多く、見られたくない情報の管理が求められます。特に電子データの取り扱いは慎重でなくてはなりません。

生前整理を行うことにより、遺族が戸惑うことなくデジタル遺品に対処できる環境を整えましょう。

整理業者を活用するのも一つの方法です。専門家の力を借りれば、分かりやすくサポートを受けられます。

50代〜60代の方でも、デジタル遺品の整理は簡単なステップから始めることができます。例えば、普段使用しているサービスやアカウントのリストを作成しておくことは非常に効果的です。さらに、どうしたらよいかわからない場合は、専門家に相談しながら進めると安心です。

弊社では毎月5名様限定で、あらゆる相続の悩みを解決する相談会を実施しています。デジタル遺品の生前整理方法や不動産、金融資産のことまで幅広く無料で相談できます。

読者の皆様が笑顔で新しいチャレンジを続けられるよう、今から準備を進めていきましょう。