相続対策の悲しい現状…

相続の仕事を数多くやっていると、見過ごせないほどの事案にしばしば遭遇します…

お客様の話を聞くと『税理士に相談したところ、節税のためにマンションをフルローンで購入して相続税の節税になって良かった。』

と仰っていますが、中身をよく見ると、相続税は圧縮されているものの、一般的な価格よりかなり高く買っていたことがわかりました。さらには、不必要なサブリース契約まで締結させらていたのです。

後に私のところで財産診断を実施しお客様の希望をヒアリングしたところ、無理な節税は必要なく、納税資金の対策と資産の分配を計画的に実施することで十分にお客様の理想を実現することができることがわかりました。

相続の現場ではよくこのようなことが起こります…

相続＝節税は間違い？

多くの方は 相続＝節税 と考えがちで、相続の対策は税理士に相談されるのではないでしょうか。

けっして、間違ってはいません。

しかし、これらの士業は各分野の専門であり 専門分野以外の知見はどうでしょう？

「相続はチームで対応することが大事」とよく聞きます。

私が総合士業事務所の統括をやってたときにも、全ての士業を揃えた「ワンストップサービス」というのを売りにしていました。

しかし、実態はどうでしょう。社内でも完全に縦割りで、お客様は社内で「たらい回し」になり、社外連携となにも変わらないのが実態です。

では、誰に相談すれば良いか？

相続対策は、税務や法務、そして不動産実務、評価、時価などのそれぞれの専門分野のかなり深堀した専門知識が必要です。

そのため、実際には、ひとりの担当が全体を実務レベルに落とし込むワンストップサービスは、現実にはほぼ不可能といっても過言ではありません。

一人でできないから、チームで対応しましょう、となるわけです。

私の場合は、幸いにも相続の第一線の現場で約20,000時間、これら全て実務レベルで実践させていただいた経験から、相続を全体的に俯瞰してみることができるようになりました。

もちろん、一人で全て細かく熟知しているかと言われると、そんなことはありません。

やはり、細かい部分は専門家の力が必要です。

ただし、専門家の知見を集約するというよりは、まずは全体最適をデザインして細部を専門家に任せるという流れが本来の形であり、成功の道筋だと考えています。

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